未来農業では、30ヘクタールの水田で10種類の米を作っています。これは、東京ドーム6.4個分に匹敵します。
水田は、もともと30ヘクタールあったわけではありません。水原地区も御多分にもれず後継者不足や高齢化で農業を続けられない方が増えています。振り返ると平成14年前後から米作りを頼まれることが多くなりました。盆地に広がる見渡す限りの田園風景は、この地域で先祖代々受け継がれてきたもの。私たちの矜持、心の故郷でもあります。食べながら思い出される風景が、美味しいものを一層美味しくします。だから私たちは、先人たちが必死に残してきたこの原風景を守りたい。荒らしたくない。という想いがあり、地域の皆さんに米作りを頼まれたら、断らないことを課しています。
土づくりは、米つくりの命。その土は、1、2年でできるものではなく、世代を超えた歳月をかけて作ってきたもの。先祖代々の農地を大事に思う気持ちは、長い月日をかけて作ってきた「土」にあるとも言えます。私たちは、その土を敬意と、愛情をもって引継ぎ、未来に継続して残していけるように、環境保全型農業(環境に負荷をかけない土づくりなど)を実践しています。肥料は、化学肥料の使用を抑え、努めて有機質の肥料を使うようにしています。例えば、地元の酪農家さんのところで出る牛糞たい肥もその1つです。土と肥料と水原川の清らかな水、さらに夜になるとスッと気温が下がる盆地特有の寒暖差とが相まっておいしい米が育ちます。
未来農業の全ての生産活動にかかわる農地は、土地の地権者様よりお借りしているものです。
太陽の光も、大空を駆け巡る風も、大地を潤す雨も、誰のものでなく、天からの恵みです。つまり命を育む農業は、全て借り物で成り立っています。未来農業は、それらの力を借りて命を生み、育む、米や野菜を育てています。収穫した米や、野菜たちも、お預かりしたもの。だから、丁寧に扱い、最良の形で、お客様にお届けしなければならない。そう私たちは考えます。
可能な限り私たちは、
適地適作を心掛け、
作物が育つ環境やタイミングに合わせて期を逃さず作業を行うよう
努めています。育てている9種類の米の内訳は、コシヒカリ(うるち米)、
コガネモチ(もち米)、酒造好適米といわれる酒米です。特に多いのが
「夢の香」「福乃香」「山田錦」などの酒米です。酒米の栽培は、平成8年頃、
「金水晶酒造店」(福島市松川町)の前杜氏・佐藤政一氏より、
酒米を作ってみないかと、弊社代表の父(丹野幸雄)に、お声がけいただき始まったのが
きっかけです。会社設立より20年前ほど前から、二代にわたり作り続けています。酒米は、
東日本大震災で被災し福島県浪江町から山形県長井市に拠点を移して再出発を果たした「鈴木酒造店 長井蔵」、福島市唯一の酒蔵「金水晶酒造店」など、顔の見える関係で契約を交わした酒蔵さんの委託を受けて作付けしています。
日本酒造りの世界には「和醸良酒」という言葉があります。和をもって醸せば良い酒になるという意味と、良い酒は人の和を醸すという二つの意味を持っています。私たちは、農業も同じだと考えます。和をもって耕せば、農業の未来は明るい。良い農業は人の和を耕す。和を大切に、自然の力に畏敬の念を持ちながら、今日も大地に立ち種を蒔き続けます。